社会保険料は、誰がいくら払っているのか
社会保険料は、誰がいくら払っているのか明細に出ている額と同じくらいを、会社がもう一方で払っています
健康保険と厚生年金の保険料は、本人と会社で半分ずつです。給与明細から引かれている額と同じくらいを、会社がもう一方で払っています。
雇用保険は、会社のほうが多く負担します。労災保険は全額が会社負担で、本人の負担はありません。
払っているのは派遣元です。雇っているのは派遣元だからです。派遣先が払う派遣料金には、この会社負担分が含まれています。
だから「社会保険料の分を安くしてください」という値引きは存在しません。割合が法律で決まっているからです。
4つの保険と、負担の割合
健康保険料率は都道府県ごとに違い、毎年見直されます。雇用保険料率も年度と業種で変わります。この記事では具体的な率を書いていません。いまの率は、日本年金機構と厚生労働省のサイトで確認できます。
明細に出ている額と、同じくらいがもう一方にあります
本人が見ているのは半分だけです。だから「引かれすぎている」と感じやすいのですが、実際には会社が同じくらいを払っています。
いつから引かれるのか
- 働き始めた日から、加入します
試用期間だから入らない、といった扱いはありません。条件を満たせば、初日から被保険者です。
- 引かれ始めるのは、たいてい翌月の給料から
保険料は月単位で計算され、翌月に納める仕組みだからです。
- 初回だけ、2か月分がまとめて引かれることがある
手取りが急に減ったように見えるのは、これが理由です。翌月からは1か月分に戻ります。
健康保険と厚生年金の保険料は、本人負担分も会社負担分も免除されます。免除された期間も、年金では「払った期間」として扱われます。将来の受取額は減りません。
なぜ、会社が半分払うのか
社会保険は、働けなくなったときに生活が止まらないようにするための仕組みです。病気、けが、出産、失業、老後。どれも本人の努力だけでは避けられません。
その負担を本人だけに負わせると、保険料を払えない人が制度から抜け落ちます。いちばん必要な人ほど、入れなくなります。
だから、働かせている側にも負担を求める形になりました。労災保険が全額会社負担なのは、仕事中のけがは働かせた側の責任という考え方からです。
派遣料金との関係
派遣先が払う派遣料金には、この会社負担分が入っています。スタッフの賃金だけではありません。
- 派遣料金=スタッフの時給に上乗せした利益
- 交渉すれば、社会保険料の分も下げられる
- マージン率が低い会社は、社会保険料も安い
- 短期の契約なら、社会保険料はかからない
- 社会保険料・有給の費用・募集や研修の費用が入っています
- 割合が法律で決まっています。値引きできる項目ではありません
- どの会社も同じ率です。マージン率が低くても同じだけ払っています
- 2か月を超える見込みなど、条件を満たせばかかります
よくある勘違い
- 社会保険は入りたい人だけが入る
- 手取りが減るので、入らないほうが得
- 保険料は全部、自分が払っている
- 労災は正社員だけが対象
- 派遣先が保険料を払っている
- 条件を満たせば加入します。本人が選べるものではありません
- 会社が同じくらいを負担しています。目減りしていません
- 健康保険と厚生年金は半分ずつです
- 働く人全員が対象で、本人の負担はありません
- 雇っているのは派遣元です。払うのも派遣元です
派遣で働く人は、ここだけ覚えてください
明細から引かれている額を見て「多い」と感じたら、その額と同じくらいを会社がもう一方で払っていることを思い出してください。
厚生年金に入っていた期間は、将来の受取額に反映されます。健康保険なら、病気で働けない期間に傷病手当金が出ます。払った分は、形を変えて戻ってきます。
派遣を受け入れる企業は、ここだけ覚えてください
派遣料金に社会保険料が含まれているのは、派遣元が雇用主として負担しているからです。ここは値引きできる項目ではありません。
大きく安い見積が出てきたら、削られているのは賃金以外のどこかだと読めます。何が削られたのかを聞いてください。
まとめ
- 健康保険と厚生年金は本人と会社で半分ずつ。明細に出るのは半分だけ
- 労災は全額会社負担で、働く人全員が対象。雇用保険は会社のほうが多い
- 払うのは派遣元。派遣料金にはこの会社負担分が含まれている
直近の給与明細を開いて、「健康保険」と「厚生年金」の額を足す。
その額と同じくらいを、会社がもう一方で払っています。2つを足した額が、あなたのために毎月納められている保険料です。3行あるか(健康保険・厚生年金・雇用保険)も、あわせて確かめてください。
いつから入るのか、どういう条件で入るのかは、別の記事で説明しています。
派遣の社会保険はいつから入るのか※ 2026年8月時点の制度にもとづいています。根拠:健康保険法161条(保険料の負担割合)、厚生年金保険法82条、介護保険法、雇用保険法68条(保険料の負担)、労働保険の保険料の徴収等に関する法律31条(労災保険は事業主が全額負担)、健康保険法159条・厚生年金保険法81条の2(産前産後休業・育児休業期間中の保険料免除)。保険料率は年度・都道府県・業種によって変わるため、この記事では具体的な率を扱っていません。最新の率は日本年金機構・全国健康保険協会・厚生労働省のサイトでご確認ください。
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