派遣の社会保険はいつから入るのか

派遣の社会保険はいつから入るのか入れるのは派遣元。条件を満たすと自動で入ります

読了の目安 5分2026年8月時点の制度にもとづきます

働く人のルール社会保険派遣元

ひとことで言うと

入るのは働き始めた日から。手続きをするのは派遣元です。

入るかどうかは働く時間と期間で決まります。目安は週20時間以上・月額88,000円以上・2か月を超えて働く見込み。本人が選べるものではありません。

保険料は本人と会社で半分ずつ。給与明細から引かれている額と同じくらいを、派遣元がもう一方で払っています。労災保険だけは全額が会社負担で、働く人全員が対象です。

4つあります

保険 何のためのものか 入る条件(おおまか) 保険料 健康保険 病気やけがの医療費、傷病手当金 働く時間と期間で判定 本人と会社で半分ずつ 出産手当金もここから出ます 厚生年金 老後の年金、障害年金、遺族年金 健康保険と同じ判定 本人と会社で半分ずつ 国民年金だけのときより、将来の受取額が増えます 雇用保険 失業したときの給付、育児休業給付 週20時間以上/31日以上働く見込み 本人と会社で負担 育休中のお金は、ここから出ます 労災保険 仕事中・通勤中のけが 働く人は全員 全額を会社が負担 1日だけの勤務でも対象です。本人の負担はありません
労災保険だけは、条件がなく全員が対象です。しかも本人の負担はありません。

健康保険と厚生年金に入る条件

大きく2つの入り方があります。

どちらかにあてはまれば入ります
  • 働く時間が、その会社の正社員の4分の3以上

    週の所定労働時間と、月の所定労働日数の両方で見ます。フルタイムに近い働き方なら、こちらです。

  • 4分の3未満でも、次を全部満たすとき

    週の所定労働時間が20時間以上/所定内賃金が月額88,000円以上/2か月を超えて働く見込み/学生ではない/勤め先が一定の規模以上。

この条件は、広がる方向で変わってきています

「その2」の対象は、法改正のたびに拡大されてきました。会社の規模の要件も段階的に下がっています。いま自分が対象かどうかは、派遣元の担当者に聞くのがいちばん確実です。判定に使うのは派遣元の規模で、派遣先の規模ではありません。

いつから入って、いつから引かれるのか

入るのは、働き始めた日からです。試用期間だから入らない、といった扱いはありません。

保険料が給与から引かれ始めるのは、たいてい翌月の給料からです。初回だけ2か月分がまとめて引かれることもあります。手取りが急に減ったように見えるのは、これが理由です。

派遣先が変わっても、派遣元が同じで雇用が続いていれば、入り直しは要りません。保険証もそのまま使えます。

「入りたくない」と言えるのか

法律上言えません。条件を満たせば加入することになっており、本人が選べる仕組みではありません。

実務では「手取りが減るから入りたくない」というご相談を受けることがあります。気持ちは分かりますが、会社が同じ額を負担しているぶん、実際には目減りしていません。厚生年金に入っていた期間は、将来の受取額に反映されます。健康保険なら、病気で働けない期間に傷病手当金が出ます。

なぜ、会社が半分払うのか

社会保険は、働けなくなったときに生活が止まらないようにするための仕組みです。病気、けが、出産、失業、老後。どれも本人の努力だけでは避けられません。

その負担を本人だけに負わせると、保険料を払えない人が制度から抜け落ちます。だから働かせている側にも半分を負わせる形になりました。派遣の場合、その「半分」を払っているのは派遣元です。

派遣料金に社会保険料が含まれているのは、このためです。値引きできない部分がある、というのはここを指しています。

よくある勘違い

こう思われがちです
  • 派遣は社会保険に入れない
  • 入るかどうかは自分で選べる
  • 派遣先が手続きをする
  • 派遣先が変わったら入り直しになる
  • 短期の仕事なら労災の対象外
実際はこうです
  • 条件を満たせば入ります。入っていないなら手続き漏れの可能性があります
  • 選べません。条件で決まります
  • 雇っているのは派遣元です。派遣元が手続きをします
  • 派遣元が同じで雇用が続いていれば、そのままです
  • 労災は働く人全員が対象です。本人の負担もありません

派遣で働く人は、ここだけ覚えてください

派遣で働く方へ

働く時間を自分で調整するときは、週20時間と月88,000円が分かれ目になることを覚えておいてください。ここをまたぐかどうかで、入る・入らないが変わります。

迷ったら、シフトを決める前に派遣元の担当者に聞いてください。あとから「入ることになりました」と言われるより、先に分かっているほうが選べます。

まとめ

この記事で覚えてほしいこと
  • 手続きをするのは派遣元。派遣先ではない
  • 入るかどうかは働く時間と期間で決まる。本人が選べるものではない
  • 保険料は会社が半分払っている。労災は全額会社負担で、全員が対象
TODAY'S ACTION / 今日からできる、たった1つのこと

直近の給与明細を開いて、「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」の3行があるかを見る。

3行あれば入っています。週20時間以上働いているのに1行も無ければ、派遣元の担当者に「加入対象ではないですか」と確認してください。手続き漏れなら、さかのぼって直せることがあります。

出産や育児で休むときのお金も、健康保険と雇用保険から出ます。派遣で産休・育休が取れる条件を説明しています。

派遣で産休・育休は取れるのか

※ 2026年8月時点の制度にもとづいています。根拠:健康保険法3条、厚生年金保険法12条、雇用保険法6条、労働者災害補償保険法。加入要件(4分の3基準、週20時間・月額88,000円・2か月超の見込み・学生でないこと・企業規模)は厚生労働省・日本年金機構の解説によります。短時間労働者への適用範囲は法改正で変わるため、最新の要件は派遣元または日本年金機構でご確認ください。保険料率は年度・都道府県によって異なります。

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