派遣を辞めるとき、いつまでに言えばいいのか

派遣を辞めるとき、いつまでに言えばいいのか言う相手は派遣元。時期は更新の話が動く前です

読了の目安 5分2026年8月時点の制度にもとづきます

働く人のルール契約更新派遣元

ひとことで言うと

基本は、契約期間の満了で終えることです。期間が決まっている契約なので、区切りがあります。

伝える相手は派遣元。派遣先ではありません。時期は更新の話が動く1〜2か月前までです。

期間の途中で辞めるのは、別の話になります。有期契約は、原則として途中では終われません。ただし例外があります。

辞めるときに受け取るのは4つ。離職票・雇用保険被保険者証・源泉徴収票・年金手帳(基礎年金番号通知書)です。

いちばん多いのは、更新しない形です

更新しないと決めたとき、いつ伝えるか 満了の1〜2か月前 ここで伝える 契約満了 派遣先と派遣元が、次の契約を決める時期 引き継ぎ この時期に伝えると、後任を立てる時間も、自分の次を探す時間も取れます
派遣先と派遣元の契約が先に動きます。そこに間に合う時期が「1〜2か月前」です。

派遣の契約は2本あります。派遣元と派遣先の契約が先に決まり、そのあとに自分の雇用契約が動きます。だから、先に動くほうに間に合う時期に伝えます。

理由を細かく説明する必要はありません。「次の更新はしないつもりです」で足ります。言いにくいときは、次の面談の場で伝えてもかまいません。

期間の途中で辞めるとき

ここは扱いが変わります。期間が決まっている契約は、原則として途中では終われません(民法628条)。お互いに、その期間は働く・雇うと約束しているからです。

途中で終われる場合
  • やむを得ない事由病気・けが・家族の介護など

    働き続けることが難しい事情がある場合です。診断書などで示せると話が早くなります。

  • 1年を超えたとき契約期間が1年を超える契約で、1年を過ぎた場合

    この場合は、いつでも辞められます(労働基準法附則137条)。1年ごとの更新を重ねている場合は、これにあたりません。

  • 条件が違ったとき明示された労働条件と、実際が違う場合

    労働条件の相違を理由に、即時に契約を解除できます(労働基準法15条2項)。

  • 合意派遣元と話し合って合意した場合

    いちばん多いのはこの形です。事情を伝えれば、後任の調整と合わせて進めてもらえます。

「無期雇用派遣」の場合は、扱いが違います

期間の定めがない契約なので、いつでも申し出て、2週間で終われます(民法627条)。ただし会社の就業規則で「1か月前まで」と決めていることが多く、実務ではそちらに合わせます。まず就業規則を見てください。

辞めるときに受け取るもの

受け取り忘れると、あとで困る4つ
  • 離職票(雇用保険の失業給付を受けるとき。退職後10日前後で届きます)
  • 雇用保険被保険者証(次の会社に出します)
  • 源泉徴収票(次の会社の年末調整、または確定申告で使います)
  • 年金手帳・基礎年金番号通知書(会社が預かっている場合)

離職票は、すぐに次の仕事が決まっている場合でも、もらっておいてください。あとから必要になったときに、取り寄せるのに時間がかかります。

有給休暇の残りは、辞める前に使えます

残っている日数は、退職日までに使えます。ただし引き継ぎの都合があるので、辞めることを伝えるときに、有給の残日数もあわせて相談してください。買い取りは、法律上の義務ではありません。会社の制度によります。

辞めたあとも、派遣元との関係は残ることがあります

いまの職場を辞めても、派遣元との雇用契約が続いていれば、次の就業先を探してもらえます。「辞める=派遣会社との縁が切れる」ではありません。

とくに、同じ組織単位で3年働く見込みがあり、本人が働き続けたいと希望している場合は、派遣元に雇用安定措置の義務があります(30条)。次の派遣先を提供する、といったことです。

だから伝えるときは、「この職場は終わりにしたい」なのか「派遣そのものを辞めたい」なのかを分けて言うと、話が早く進みます。

よくある勘違い

こう思われがちです
  • 辞めることは、まず派遣先の上司に言う
  • 2週間前に言えば、いつでも辞められる
  • 辞める理由を細かく説明しないといけない
  • すぐ次が決まっているなら、離職票は要らない
  • 辞めたら、その派遣会社とは終わり
実際はこうです
  • 雇っているのは派遣元です。まず派遣元に伝えます
  • 期間が決まっている契約は、原則として途中では終われません
  • 「次の更新はしないつもりです」で足ります
  • あとから取り寄せると時間がかかります。もらっておいてください
  • 雇用が続いていれば、次の就業先を探してもらえます

派遣で働く人は、ここだけ覚えてください

派遣で働く方へ

伝える相手は派遣元の担当者。時期は契約満了の1〜2か月前。この2つだけです。

そして、「この職場を終わりにしたい」のか「派遣そのものを辞めたい」のかを分けて伝えてください。前者なら、次の職場を探してもらえます。

派遣を受け入れる企業にも、関係があります

派遣先の担当者へ

その方から直接「辞めたい」と言われたときは、その場で結論を出さず、派遣元に伝えてください。雇用に関することは派遣元の役目です。

あわせて、なぜ辞めたいのかを聞ける関係かどうかが、次の受け入れに効きます。条件ではなく職場の中のことが理由なら、直せることがあります。

まとめ

この記事で覚えてほしいこと
  • 基本は契約期間の満了で終える。伝えるのは満了の1〜2か月前まで
  • 伝える相手は派遣元。期間の途中で辞めるのは別の話になる
  • 受け取るのは離職票・雇用保険被保険者証・源泉徴収票・年金手帳の4つ
TODAY'S ACTION / 今日からできる、たった1つのこと

雇用契約書を開いて、「契約期間」の終わりの日付から2か月引いた日をカレンダーに書く。

その日が、更新するかどうかを自分の中で決めておく日です。続けるなら伝えなくてかまいません。終わりにするなら、その日までに派遣元へ伝えれば、後任の調整も自分の次探しも間に合います。

更新がどういう順番で決まるのかは、別の記事で説明しています。返事が遅く感じる理由も書いています。

派遣の契約更新はいつ決まるのか

※ 2026年8月時点の制度にもとづいています。根拠:民法627条(期間の定めのない雇用の解約)・628条(やむを得ない事由による解除)、労働基準法附則137条(1年を超える有期契約の特例)・15条2項(労働条件相違による解除)・39条(年次有給休暇)、労働者派遣法30条(雇用安定措置)、雇用保険法。厚生労働省の各解説、e-Gov法令検索で確認しています。就業規則の定めや個別の契約内容によって扱いが異なる場合があります。

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