派遣の契約更新はいつ決まるのか
派遣の契約更新はいつ決まるのか契約は2本あります。動いているのは、見えないほうです
更新は、派遣先が「来期も来てもらうか」を決めてから、自分の契約の話になります。
契約が2本あるからです。派遣元と派遣先の契約が先に動き、自分と派遣元の雇用契約があとから動きます。返事が遅く感じるのは、これが理由です。
更新しないと決まったときは、30日前までに知らせる基準があります(3回以上更新しているか、1年を超えて働いている場合)。
契約は2本。動いているのは見えないほうです
自分が見えるのは2本目だけです。1本目は自分の知らないところで動いています。返事が遅いのは、担当者が忘れているからとは限りません。
気になるときは、派遣元の担当者に「派遣先からの返事はいつごろ来そうですか」と聞けます。1本目の話だと分かって聞けば、答えも具体的になります。
更新しないときは、30日前までに知らせる基準があります
法律上有期の契約について、国が基準を定めています(平成15年厚生労働省告示第357号)。
3回以上更新されているか、雇い入れの日から1年を超えて働き続けている人の契約を更新しないと決めた場合、使用者は契約が終わる日の30日前までに予告しなければなりません。
さらに、予告のあとに本人が理由の証明書を求めたときは、それを出す必要があります。
初回の契約で、まだ1年たっていない場合は、この30日前予告の対象になりません。ただしその場合も、契約書に更新の有無と判断の基準を書いておくことは求められています。まず契約書を見てください。
更新のたびに確かめる3か所
- 契約期間の欄
いつからいつまでか。前回と同じ長さか、短くなっていないか。
- 時給と、業務の内容
仕事が増えているのに時給が同じ、という形になっていないか。業務の内容が変わるなら、契約書も変わるはずです。
- 更新の判断基準
「業務量により判断する」など、どういう場合に更新するかが書かれています。次回の見通しはここに出ます。
更新を続けた先に、無期転換の権利があります
同じ派遣元との有期の雇用契約が通算5年を超えて更新されたとき、本人が申し込めば期間の定めのない契約に転換できます(労働契約法18条)。
ここで大事なのは2つです。
- 数えるのは派遣元との雇用契約の通算。派遣先が何回変わっても関係ありません
- 申し込まないと転換しません。自動ではありません
無期になっても、仕事の中身や時給が自動で変わるわけではありません。変わるのは「期間が来たら終わる」がなくなることです。あわせて、同じ課で3年という期間制限の対象からも外れます。
なぜ、こういう仕組みになっているのか
有期の契約は、本来「期間が来たら終わる」ものです。ところが更新が何度も繰り返されると、働く人は「次もあるはずだ」と思って生活を組み立てます。
そこで法律は2つの手を打ちました。更新しないなら早めに知らせること(30日前予告の基準)と、長く繰り返したなら期間の定めをなくせること(無期転換)。どちらも、いつ終わるか分からない状態が続くのを防ぐための仕組みです。
よくある勘違い
- 更新は派遣会社が決めている
- 直前まで何も言われないのは、扱いが悪いから
- 5年たてば自動的に無期になる
- 派遣先が変わると、5年の数えは最初からになる
- 無期になれば正社員になったのと同じ
- 先に決めるのは派遣先です。派遣元はそれを受けて動きます
- 1本目の契約が決まっていないことが多いです。聞いてかまいません
- 本人が申し込んだときに転換します。自動ではありません
- 数えるのは派遣元との雇用契約です。派遣先は関係ありません
- 期間の定めが無くなるだけです。仕事や時給が自動で変わるわけではありません
派遣で働く人は、ここだけ覚えてください
更新の見通しを聞くのは、失礼なことではありません。生活を組み立てるために必要な情報です。
聞き方は「更新できますか」より「派遣先からの返事はいつごろ来そうですか」のほうが答えが返ってきます。決めているのが誰かが分かっている質問だからです。
まとめ
- 契約は2本。先に動くのは派遣元と派遣先の契約のほう
- 更新しないときは30日前までに予告する基準がある(3回以上更新/1年超の場合)
- 通算5年を超えたら申し込めば無期に転換できる。自動ではない
いまの雇用契約書を開いて、「契約更新の有無」と「更新の判断基準」の欄を読む。
「更新する場合がある」と書かれていれば、その下に判断の基準が書いてあります。次の更新がどう決まるかは、ここに書いてあります。読んでも分からない書き方なら、それを担当者に聞くのが次の一歩です。
更新を重ねた先には、同じ課で3年という別の期限も来ます。2つの期限は数え方が違います。
派遣の3年ルールで自分はどうなるのか※ 2026年8月時点の制度にもとづいています。根拠:労働契約法17条・18条(無期転換)・19条、労働基準法14条2項、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」(平成15年厚生労働省告示第357号)、労働者派遣法26条・34条。厚生労働省の各解説、e-Gov法令検索で確認しています。個別の契約内容によって扱いが異なる場合があります。
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