派遣とはどういう働き方か
派遣とはどういう働き方か雇う会社と、指示を出す会社が分かれています
派遣とは、派遣会社に雇われて、別の会社で働く働き方です。
給料を払うのは派遣会社(派遣元)。仕事の指示を出すのは働きに行く先の会社(派遣先)。雇う人と指示を出す人が別、というのが派遣です。
派遣の決まりが多いのは、ここが理由です。3年の期限も、国の許可が要ることも、すべてこの一点から出てきます。
登場するのは3者です
- 派遣スタッフ
- 派遣元に雇われて、派遣先で働く人。
- 派遣元(派遣会社)
- その人を雇い、給料を払い、社会保険や有給休暇の手続きをする会社。
- 派遣先
- その人に来てもらい、仕事の指示を出す会社。
ふつうの働き方なら、この2本の矢印は同じ会社から出ます。派遣だけ、別々の会社から出ます。
契約は2本です。派遣元と派遣スタッフの雇用契約と、派遣元と派遣先の労働者派遣契約。この2本だけです。
毎日いちばん近くで指示を出している派遣先とは、契約を結んでいません。指示は出るのに、契約は無い。ここが派遣の分かりにくいところです。
なぜ、決まりがこんなに多いのか
労働法は「雇う人=指示を出す人」を前提に作られています。派遣はその前提を外しました。だから、外したぶんだけ決まりを足す必要がありました。
- 1947年(昭和22年)人を送って他社の指示で働かせる商売を、原則禁止にした
職業安定法44条。働く人の意思を無視した労働と、間に入って賃金を取ることを防ぐためでした。
- 1985年(昭和60年)労働者派遣法ができ、例外が認められた
認められたのは自分が雇っている人を送り出す場合だけ。だから派遣元は必ず雇用主になります。
- 1999年(平成11年)頼める仕事が、原則として自由になった
このとき国は派遣を「臨時的・一時的な労働力の需給調整に関する対策」と位置づけています。
- 2015年(平成27年)期限が「3年」で整理され、許可制に一本化された
いまの形です。
もともと禁止で、条件つきで認められた仕組みです。決まりが多いのは、そのためです。
よくある勘違い
- 派遣スタッフは派遣先に雇われている
- 派遣先が気に入らなければ辞めさせられる
- 派遣は誰でもすぐ始められる商売だ
- 派遣先が有給や社会保険の手続きをする
- 雇っているのは派遣元。給料も派遣元から出ます
- 雇用主ではないので、派遣先が解雇することはできません
- 国の許可が要ります。資産の要件や責任者の講習があります
- 雇用に関することは派遣元の役目です
派遣で働く人は、ここだけ覚えてください
困ったときにどちらに言うかは、内容で決まります。雇用のこと(給料・有給・社会保険・契約の期間)は派遣元。仕事のこと(作業の手順・設備・職場の環境)は派遣先です。
迷ったら派遣元に言ってかまいません。派遣元には、派遣先に伝えて解決させる役目があります。
派遣を受け入れる企業は、ここだけ覚えてください
指示は出せますが、雇用主ではありません。だから「明日から来なくていい」は言えませんし、契約書に書いていない仕事も頼めません。
頼みたい仕事が増えたときは、その場で指示を足さず、労働者派遣契約を派遣元と結び直してください。
まとめ
- 派遣とは雇う会社と指示を出す会社が分かれている働き方
- 契約は2本。毎日指示を出す派遣先とは、契約を結んでいない
- 決まりが多いのは、もとが禁止で、条件つきで認められた仕組みだから
給与明細を1枚開いて、いちばん上に書いてある会社名を確かめる。
そこに書いてある会社が、あなたを雇っている会社です。毎日指示を出してくる会社と名前が違っていても、それが派遣の正しい形です。有給や社会保険の相談は、この会社にします。
雇い方の違いをもう少し広く見たいときは、こちらです。正社員・契約社員・パートと並べて、どこが違うのかを1枚で比べています。
正社員・契約社員・派遣の違い※ 2026年8月時点の制度にもとづいています。根拠:労働者派遣法2条1号・5条(許可)・26条・40条の2、職業安定法44条。厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」「労働者派遣制度の概要及び改正経緯について」、e-Gov法令検索で確認しています。
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