受け入れ初日で差がつく
受け入れ初日で差がつく決めておくのは、席でも道具でもありません
初日までに決めておくのは「分からないときに聞く相手」を1人。席でもパソコンでもありません。
法律で決まっている準備は5つ。福利厚生施設を使わせる/教育訓練を実施する/派遣先責任者を選ぶ/管理台帳を作る/苦情の窓口を置く。
いちばん多いつまずきはシステムのアカウントです。発行に数日かかるので、契約が決まった時点で申請します。
法律で決まっている準備と、決まっていない準備
- 福利厚生施設
- 食堂・休憩室・更衣室は、自社の社員が使えるなら利用の機会を与える義務(40条3項)
- 教育訓練
- 自社の社員に業務上の教育訓練を行う場合、派遣スタッフにも実施する(40条2項)
- 派遣先責任者
- 受け入れ事業所ごとに選任する(41条)
- 派遣先管理台帳
- 作成し、派遣終了から3年保存(42条)
- 苦情の窓口
- 派遣先にも処理する義務がある(40条1項)
- 聞ける相手
- 「迷ったらこの人」を1人決めて、本人に伝えておく
- 初日の3時間
- 最初にやる作業を1つだけ決めておく
- 職場の呼び方
- 社内用語・略語の一覧を1枚
- 連絡の手段
- チャットに入れるか、メールか
- 紹介
- 同じ島の人に、名前と担当を伝えておく
左は「やらないと義務違反」、右は「やらなくても違反ではないが、立ち上がりが変わる」ものです。差がつくのは右側です。
初日までのチェックリスト
- 指揮命令者を1人決めて、本人に伝えた(不在時の代わりも)
- 席・パソコン・入館証・ロッカーを用意した
- 使うシステムのアカウントを作った(当日申請だと数日かかります)
- 食堂・休憩室・更衣室の場所と使い方を伝える準備をした
- 最初の3時間にやる作業を1つ決めた
- 同じ島の人に、来ることと担当を伝えた
- 派遣先責任者を決め、管理台帳の用意をした
実務ではいちばん多いつまずきがシステムのアカウントです。申請から発行まで数日かかる会社が多く、初日に何もできない、ということが起きます。契約が決まった時点で申請してください。
「聞ける相手」が決まっていないと何が起きるか
初日に手が止まるのは当たり前です。問題は、止まったときに聞ける相手がいるかどうか。いなければ、自己判断で進むか、黙って待ちます。どちらも、あとで時間を使います。
なぜ、派遣先に教育訓練や福利厚生の義務があるのか
派遣スタッフは派遣元に雇われていますが、実際に働いている場所は派遣先です。
食堂も休憩室も更衣室も、そこにしかありません。業務に必要な設備の使い方も、その現場でしか教えられません。「うちの社員じゃないから」で線を引くと、働けなくなってしまうものがあります。
だから、そこにいるからこそできることは、派遣先の義務として置かれています。逆に、給料や有給といった「雇っているからこそできること」は派遣元の義務です。
よくある勘違い
- 初日の説明は派遣会社がしてくれる
- 食堂や更衣室は自社の社員のためのもの
- 研修は派遣会社の役目
- 質問はまとめて夕方に聞いてもらえばいい
- 業務の説明は派遣先です。派遣元は制度や条件の説明をします
- 自社の社員が使えるなら、利用の機会を与える義務があります
- 自社の社員に業務上の教育訓練をするなら、派遣スタッフにも実施します
- 止まっている間の作業は進みません。その場で聞ける形にするほうが速いです
派遣を受け入れる企業は、ここだけ覚えてください
準備の中でいちばん効くのは、席でも道具でもありません。「迷ったら◯◯さんに聞いてください」を、初日の朝に本人へ伝えることです。
その人が席を外す時間帯があるなら、代わりの人も決めておいてください。10秒で伝えられて、いちばん効きます。
派遣で働く人にも、関係があります
初日に確かめておくといいのは「分からないときに聞く相手」です。言われなければ、こちらから聞いてかまいません。
食堂・休憩室・更衣室は使わせてもらう義務が派遣先にあります。使えないままなら、派遣元の担当者に伝えてください。
まとめ
- 立ち上がりが速い職場は「聞ける相手」を初日までに決めている
- 法律で決まっているのは福利厚生施設・教育訓練・派遣先責任者・管理台帳・苦情の窓口
- いちばん多いつまずきはシステムのアカウント。契約が決まった時点で申請する
受け入れ予定の人について、「迷ったら聞く相手」を1人決めて、その人の名前をメモに書く。
決めた名前を、初日の朝いちばんに本人へ伝えてください。「分からないことがあったら、◯◯さんに聞いてください」の一言です。すでに来ている人がいて、まだ決まっていないなら、今日伝えてください。
受け入れたあと、お金の話が続きます。派遣料金に何が入っているのか、見積のどこを見ればいいのかを説明しています。
派遣料金は「時給×時間」ではない※ 2026年8月時点の制度にもとづいています。根拠:労働者派遣法40条1項(苦情の処理)・40条2項(教育訓練)・40条3項(福利厚生施設)・41条(派遣先責任者)・42条(派遣先管理台帳)、26条1項(指揮命令者)。厚生労働省「派遣先の皆さまへ」(LL271029 派需08)、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」、「労働者派遣事業関係業務取扱要領」で確認しています。チェックリストの内容は法定の項目とCCの実務を分けて記載しています。
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