派遣と職業紹介の違い
派遣と職業紹介の違い分かれ目は「誰が雇うか」です
労働者派遣は、派遣会社が雇い続けます。給料も社会保険も派遣会社。指示だけを、来てもらう会社が出します。
職業紹介は、来てもらう会社自身が雇います。紹介会社は引き合わせるだけ。給料も社会保険も指示も、全部その会社です。
分かれ目は「誰が雇うか」の一点。だから紹介会社の役目は、入社した時点で終わります。
雇用契約の矢印が、逆を向きます
- 雇うのは
- 来てもらう会社
- 給料を払うのは
- 来てもらう会社
- 社会保険の手続き
- 来てもらう会社
- 紹介会社の役目
- 引き合わせるところまで
- 払うお金
- 紹介手数料(多くは成功報酬)
- 雇うのは
- 派遣元
- 給料を払うのは
- 派遣元
- 社会保険の手続き
- 派遣元
- 派遣元の役目
- 働いている間ずっと続く
- 払うお金
- 派遣料金(働いた時間に応じて毎月)
どちらで頼むかは、この2問で決まります
- 問1その人を、自社で雇いたいですか
雇いたい → 職業紹介。雇わずに来てほしい → 問2へ。
- 問2その人に、自社から仕事の指示を出したいですか
出したい → 労働者派遣。やり方も含めて任せたい → 業務委託。
迷ったときに見るのは、値段でも期間でもありません。雇いたいのか、指示を出したいのか。この2つです。
お金が発生するのはいつか
紹介手数料は、多くの場合入社が決まった時点で発生します。会ってもらうだけ、書類を見てもらうだけでは発生しないのが一般的です。
金額の決め方は、法律で枠が決まっています。紹介会社はあらかじめ手数料表を届け出るか、法律で定められた上限の範囲で受け取るかのどちらかです。好きな額を請求できる仕組みではありません。
入社してすぐ辞めた場合に手数料の一部が返る「返戻金」の取り決めがあることがあります。これは法律で決まっているものではなく、紹介会社との契約次第です。契約書のどこに書いてあるか、依頼する前に確かめてください。
働く人からは、原則お金を取れません
法律上有料の職業紹介では、求職者から手数料を受け取ることが原則として禁止されています(職業安定法32条の3第2項)。芸能や一部の専門職など、省令で定められたごく限られた場合だけが例外です。
お金を払うのは、人を採る会社の側です。だから求職者は、無料で紹介を受けられます。
なぜ、許可が要るのか
有料の職業紹介をするには、厚生労働大臣の許可が要ります。派遣と同じく、もとをたどると1947年の職業安定法に行き着きます。
人の就職に間に入る商売は、放っておくと、間に入った側が働く人からお金を取る形になりやすいものでした。賃金の一部を中間で取ることを防ぐために、間に入る商売そのものを国の管理下に置いた、という経緯です。
求職者から手数料を取れないという決まりも、同じ考え方から来ています。
よくある勘違い
- 紹介会社が雇ってくれる
- 紹介と派遣は、値段が違うだけ
- 会ってもらった時点でお金がかかる
- 働く人も手数料を払う
- 紹介予定派遣と職業紹介は同じもの
- 雇うのは来てもらう会社です。紹介会社は雇いません
- 雇う人が違います。だから責任の所在も、払うお金の形も違います
- 多くは入社が決まった時点です。契約で確かめてください
- 求職者からは原則として取れません(職安法32条の3第2項)
- 紹介予定派遣は、まず派遣で働いてから直接雇用を決める仕組みです
派遣を頼む会社は、ここだけ覚えてください
最初に決めるのは「自社で雇うかどうか」です。ここが決まれば、紹介か派遣かは自動的に決まります。
雇うと決めたなら、採用の枠と、その人に払う条件を先に固めてください。紹介は入社が決まった時点でお金が発生するので、枠が無いまま動くと止まります。
働く人にも、関係があります
紹介で入社すると、雇い主はその会社です。給料も有給も社会保険も、その会社の制度になります。紹介会社との関係は、入社した時点で終わります。
紹介会社に手数料を払う必要はありません。求められたら、その場で答えず確かめてください。
まとめ
- 職業紹介は引き合わせるだけ。雇うのは来てもらう会社
- 派遣との違いは「誰が雇うか」。派遣は派遣元が雇い続ける
- 求職者から手数料は原則取れない。払うのは人を採る会社の側
いま人手が足りない部署について、「その人を自社で雇いたいか」に Yes か No で答えを書く。
Yes なら職業紹介、No なら派遣か業務委託です。この1問で、相談する相手が決まります。答えが出ないなら、まだ枠が固まっていないということなので、先に社内で決めるほうが早く進みます。
「まず働いてもらってから雇うかを決めたい」なら、その間をとった仕組みがあります。最長6か月で、面接もできます。
紹介予定派遣とは何か※ 2026年8月時点の制度にもとづいています。根拠:職業安定法4条1項(職業紹介の定義)・30条(有料職業紹介事業の許可)・32条の3(手数料)・44条、労働者派遣法2条1号。厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」、「派遣元事業主の皆さまへ」(LL271029 派需07)、e-Gov法令検索で確認しています。手数料の額や返戻金の取り決めは紹介会社との契約によって異なります。具体的な条件は契約書でご確認ください。
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