派遣でも有給休暇は取れます

派遣でも有給休暇は取れます半年で10日。くれるのは派遣先ではなく派遣元です

読了の目安 5分2026年8月時点の制度にもとづきます

働く人のルール有給休暇派遣元

ひとことで言うと

働き始めて半年、出勤率が8割以上なら、10日もらえます。労働基準法で決まっています。

くれるのは派遣元です。だから派遣先が変わっても、派遣元が同じなら残りの日数は消えません。

申し出る相手も派遣元。理由を言う必要はありません。10日以上もらった年は、5日は必ず取ることになっています。

いつから、何日もらえるのか

フルタイムで働く場合の日数(労働基準法39条) ※ 週の所定労働日数が少ない場合は、日数が比例して減ります 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月〜 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日 もらえる条件は2つだけ ・雇われてから6か月続けて働いた ・その間の出勤率が8割以上 10日以上もらった年は そのうち5日は必ず取ることになっています (2019年4月から。会社側の義務です)
数えるのは「派遣元に雇われてからの期間」です。派遣先で働いた期間ではありません。

週の勤務日数が少ない働き方の場合は、日数が比例して減ります。週3日勤務なら6か月で5日、といった具合です。ゼロにはなりません。

派遣先が変わっても、日数は消えません

有給休暇は、派遣元との雇用契約についてきます。だから働く場所が変わっても、派遣元が同じで雇用が続いていれば、残っている日数はそのまま持ち越せます。新しい職場に移った初日から使えます。

ただし、間が空くと扱いが変わることがあります

前の仕事が終わってから次が決まるまでに長く間が空き、その間に雇用契約が切れていた場合、勤続年数の数え方が変わることがあります。間が空きそうなときは、先に派遣元の担当者に「有給はどうなりますか」と聞いてください。あとから聞くより確実です。

言う相手は派遣元。ただし現場にも伝えます

有給を取るときの順番
  1. 派遣元に申し出る

    雇っているのは派遣元なので、権利としてはここに言います。

  2. 派遣先の現場にも伝える

    その日いないと業務が回らないので、実務上は現場にも伝えます。順番が逆でもかまいませんが、現場の口頭了解だけで終わらせないでください。

  3. 記録に残す

    申請の方法は派遣元によって違います(用紙・システム・メールなど)。決められた形で出しておくと、あとで数が食い違いません。

法律上取る理由を言う必要はありません。会社が使い道を聞いて、それを理由に断ることもできません。

ただし時季変更権というものがあります。その日に休まれると事業の正常な運営が妨げられる場合に限って、会社が別の日にしてほしいと言えるものです。「忙しいから」だけでは足りません。代わりの人を立てられるかどうかまで見て判断されます。

休んだ日の給料は、いくらになるのか

時給制で働いていると、ここが気になります。計算のしかたは3つのうちどれかで、どれを使うかは派遣元の就業規則などで決まっています(労働基準法39条9項)。

  • その日働いたとしたら支払われる通常の賃金
  • 過去3か月の平均賃金
  • 健康保険の標準報酬日額(労使協定がある場合)

1つめなら、いつもの1日分と同じ額になります。自分の会社がどれを採っているかは、就業規則か雇用契約書に書いてあります。

なぜ、有給休暇という制度があるのか

労働基準法39条の目的は、働く人の心身の疲労を回復させ、ゆとりある生活を保つことだと説明されています。休んでも収入が減らない形にしないと、実際には休めないからです。

2019年4月からは、10日以上もらった人について年5日は必ず取らせることが会社の義務になりました。権利があっても使われていない状態が長く続いたからです。

よくある勘違い

こう思われがちです
  • 派遣には有給がない
  • 派遣先が変わると、有給はリセットされる
  • 有給を取るには理由を言わないといけない
  • 派遣先に「ダメ」と言われたら取れない
  • 週3日勤務だと有給はもらえない
実際はこうです
  • 条件を満たせばあります。付与するのは派遣元です
  • 派遣元が同じで雇用が続いていれば、残日数はそのままです
  • 理由を言う必要はありません。使い道を理由に断ることもできません
  • 雇っているのは派遣元です。まず派遣元に申し出てください
  • 日数は減りますが、もらえます

派遣を受け入れる企業は、ここだけ覚えてください

派遣先の担当者へ

有給を与えるのは派遣元の義務ですが、取れるかどうかは現場の空気で決まります。年5日の取得義務も派遣元にかかっているので、取れない状態が続くと派遣元が義務を果たせません。

お願いしたいのは1つだけです。休みの申し出を、自社の社員と同じ扱いにしてください。

まとめ

この記事で覚えてほしいこと
  • 半年働いて出勤率8割で10日。くれるのは派遣元
  • 派遣先が変わっても、派遣元が同じなら残日数は消えない
  • 理由を言う必要はない。10日以上もらった年は5日は必ず取ることになっている
TODAY'S ACTION / 今日からできる、たった1つのこと

給与明細か派遣元のマイページを開いて、有給の残日数が何日と書いてあるかを確かめる。

書いていなければ、派遣元の担当者に「有給の残りは何日ですか」と聞いてください。数を知らないままだと、使わないまま期限(2年)が来ます。残日数が分かったら、次の3か月で1日だけ予定を入れてみてください。

社会保険も同じで、手続きをするのは派遣元です。いつから入るのか、誰が動くのかを説明しています。

派遣の社会保険はいつから入るのか

※ 2026年8月時点の制度にもとづいています。根拠:労働基準法39条(年次有給休暇。8項=年5日の時季指定義務、9項=賃金の算定、比例付与は同条3項・施行規則24条の3)、労働者派遣法44条(労働基準法の適用に関する特例)。厚生労働省「年次有給休暇の時季指定義務」ほかの解説、e-Gov法令検索で確認しています。付与日数は所定労働日数によって変わります。

事務職の人材派遣を承っています

私たちは、事務まわりの人手についてのご相談をお受けしています。この記事のような制度の整理も、その中のひとつです。発注が決まっていない段階のご相談でもかまいません。

事務派遣について見る