派遣を頼んでから、人が来るまで

派遣を頼んでから、人が来るまで止まる場所は、だいたい決まっています

読了の目安 5分2026年8月時点の制度にもとづきます

企業の派遣活用派遣先職場見学抵触日

ひとことで言うと

流れは6つです。①頼む仕事を決める → ②抵触日を通知する → ③労働者派遣契約を結ぶ → ④派遣元が人を探して雇う → ⑤職場見学 → ⑥就業開始。

止まるのは、たいてい①と②です。抵触日の通知が無いと契約が結べず、業務の中身が決まらないと人選が始まりません。

急ぐときほど、この2つを先に埋めるのが近道です。

全体の流れは6つです

依頼から就業開始までの流れ
  1. 派遣先頼みたい仕事を決める

    誰の指示で、どの部署で、どんな作業を、何時から何時まで。ここが契約書の中身になります。

  2. 派遣先 → 派遣元抵触日を通知する

    その事業所でいつまで派遣を受け入れられるか。書面で出します。これが無いと契約できません。

  3. 派遣元 ↔ 派遣先労働者派遣契約を結ぶ

    業務内容・就業場所・指揮命令者・期間・責任の程度などを書きます。

  4. 派遣元人を探して、本人と雇用契約を結ぶ

    条件を説明し、本人が合意して初めて雇用契約になります。

  5. 本人が希望すれば職場見学

    本人が職場を見るためのものです。派遣先が人を選ぶための面接はできません。

  6. 派遣元 → 派遣先誰が来るかを通知して、就業開始

    氏名・社会保険の加入状況・協定対象かどうかなどを通知します。

止まるのは、たいてい2番と1番です

この2つが空欄だと、先へ進みません 抵触日の通知が無い 派遣元は、通知を受けていないと 労働者派遣契約を結べません(26条5項) → 契約が止まる 決めるのは派遣先。派遣元は、その事業所が いつから受け入れてきたかを知りません 業務の中身が決まっていない 「事務全般」だけでは、契約書が書けません どんな人を探せばいいかも決まりません → 人選が始まらない 「なるべく早く」と伝えても、ここが空欄なら 派遣元は動きようがありません
急いでいるときほど、この2つを先に埋めるのが近道です。

実務では「急ぎでお願いします」と言われて伺うと、この2つが決まっていないことがほとんどです。私たちが最初に確かめるのも、この2つです。

先に用意しておくもの

依頼の前に、この5つを紙に書いておく
  • 業務の中身:何を、どの順で、1日どれくらい
  • 就業場所:事業所名と、どの課か(組織単位)
  • 指揮命令者:日々の指示を出す人の氏名と役職
  • 期間と時間:いつからいつまで、何時から何時まで、休憩と残業の見込み
  • 抵触日:前に出した通知書の控え。無ければ、その事業所がいつから受け入れているか

この5つは、そのまま労働者派遣契約に書く項目です。先に書いておくと、依頼から契約まで一気に進みます。

職場見学でできること、できないこと

できません
  • 派遣先が人を選ぶための面接
  • 履歴書を送らせること
  • 「この人がいい」と指名すること
  • 年齢・性別で絞ること
できます
  • 本人の希望で職場を見に来てもらう
  • 業務の内容・使う道具・座る場所を説明する
  • 本人からの質問に答える
  • 紹介予定派遣なら、面接も履歴書もできる

禁止されているのは「面接」という行為ではなく「派遣先が人を選ぶこと」です。だから、名前が付いていなくても選んでいれば同じです。

なぜ、派遣先が人を選べないのか

誰を雇うかを決めるのは雇用主だからです。派遣では、雇用主は派遣元です。

派遣先が選べる形にすると、実質的に採用しているのに、雇用の責任は負わない状態になります。給料も社会保険も解雇の制限も、全部よその会社の話のまま、人だけ選ぶ。それを防ぐための線です。

紹介予定派遣だけ面接ができるのは、ゴールが「派遣先が直接雇うこと」だからです。選ぶ人と雇う人が一致するので、矛盾がありません。

よくある勘違い

こう思われがちです
  • 依頼すれば、あとは派遣会社が全部やってくれる
  • 抵触日は派遣会社が調べてくれる
  • 業務の中身は、来てから決めればいい
  • 職場見学で「この人にします」と言える
実際はこうです
  • 契約書に書く中身を決めるのは派遣先です
  • 決めて通知するのは派遣先の義務です(26条4項)
  • 契約書に書いていない仕事は頼めません。先に決めます
  • 選ぶことはできません。見学は本人のためのものです

派遣を受け入れる企業は、ここだけ覚えてください

派遣先の担当者へ

依頼の電話をする前に、「誰が指示を出すか」を1人に決めてください。これが決まっていないと、契約書の指揮命令者の欄が埋まりません。

そして抵触日通知書の控えを机の上に出す。この2つがあれば、依頼はその日のうちに形になります。

派遣で働く人にも、関係があります

派遣で働く方へ

職場見学はあなたが職場を見に行く場です。選ばれに行く場ではありません。聞きたいことは聞いてかまいません。

見に行って「合わない」と思ったら、断れます。断ったことで不利になる決まりはありません。

まとめ

この記事で覚えてほしいこと
  • 止まる場所は2つ。抵触日の通知契約書に書く業務の中身
  • 先に用意するのは業務・場所・指揮命令者・期間・抵触日の5つ
  • 職場見学はできるが、派遣先が人を選ぶことはできない
TODAY'S ACTION / 今日からできる、たった1つのこと

頼みたい仕事を、朝から夕方までの順番で紙に書き出す。

「請求書の入力を9〜12時、電話の一次受けを13〜17時」のように、時間と作業をセットで書きます。これがそのまま契約書の業務内容になります。書けない作業が出てきたら、それは切り出せていない作業です。

契約書に何を書かなければならないかは、法律で決まっています。抜けると困る項目まで説明しています。

派遣契約に書かなければならないこと

※ 2026年8月時点の制度にもとづいています。根拠:労働者派遣法26条1項・3項・4項・5項、35条(派遣先への通知)、26条6項(紹介予定派遣の例外)、40条の2。厚生労働省「派遣先の皆さまへ 派遣社員を受け入れるときの主なポイント」(LL271029 派需08)、「派遣元事業主の皆さまへ」(同 派需07)、「労働者派遣事業関係業務取扱要領」で確認しています。

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