給料から引かれる税金は2つだけです

給料から引かれる税金は2つだけです所得税は概算で先取り、住民税は1年遅れて来ます

読了の目安 5分2026年8月時点の制度にもとづきます

給与・お金社会保険

ひとことで言うと

給料から引かれる税金は、所得税と住民税の2つだけです。あとは社会保険料で、これは税金ではありません。

所得税は、毎月の給料からおおよその額で先に引かれます。正しい額は年末に計算し直します(年末調整)。

住民税は、前の年の所得にかかります。だから1年遅れて来ます。働き始めた最初の年は引かれないことが多く、2年目から増えます。

派遣で年の途中に会社が変わったときは、前の会社の源泉徴収票が要ります。無いと年末調整ができません。

引かれているものを、税金と保険料に分けます

給与明細の「控除」の欄に並んでいるもの 税金(2つ) ・所得税(源泉所得税)  毎月は概算。年末に精算します ・住民税  前の年の所得にかかります 社会保険料(税金ではありません) ・健康保険(40歳以上は介護保険も) ・厚生年金 ・雇用保険 会社も同じくらい払っています 社会保険料を払った分は、所得税と住民税の計算から差し引かれます つまり、保険料を払うと税金は少し減ります。二重に取られてはいません
「引かれるもの」は5〜6行ありますが、税金は上の2つだけです。

所得税:毎月は概算です

毎月引かれている所得税は、「だいたいこのくらい」という概算です。1年働いた結果で計算し直すと、たいてい額が変わります。

1年の流れ
  1. 毎月:概算で引かれる

    その月の給料と扶養の人数から、表にあてはめて決めます。実際の年収はまだ分かりません。

  2. 11〜12月:年末調整の書類を出す

    派遣元から用紙が届きます。生命保険料控除などを申告する場面です。

  3. 12月または1月:精算される

    引きすぎていれば戻ってきます(還付)。足りなければ追加で引かれます。

年末調整をしないと、払いすぎのままになります

戻ってくるはずのお金が戻りません。用紙が届いたら、必ず出してください。提出しなかった場合や、年末に在籍していなかった場合は、自分で確定申告をすれば精算できます。

住民税:1年遅れて来ます

住民税が引かれる時期 1年目の1月〜12月に働いて得た所得 2年目の6月〜翌年5月に、そのぶんを納めます だから、働き始めた最初の年は住民税が引かれないことが多く、2年目から手取りが減ります 辞めたあとも、前の年の所得にかかる住民税は納めることになります 仕事を辞めるときは、この分を見込んでおいてください
「2年目から手取りが減った」と感じるのは、たいていこれが理由です。

給与から天引きされる形を特別徴収、自分で納付書で納める形を普通徴収といいます。会社勤めの間は、たいてい特別徴収です。

年の途中で会社が変わったとき

派遣では、年の途中で派遣元が変わることがあります。このとき前の会社の源泉徴収票が要ります。

出さないと、こうなります
  • 新しい会社で年末調整ができない
  • 払いすぎた所得税が戻ってこない
  • 自分で確定申告をすることになる
  • あとから取り寄せるのに時間がかかる
出せば、こうなります
  • 1年分をまとめて年末調整してもらえる
  • 払いすぎた分が12月か1月の給料で戻る
  • 確定申告は要りません
  • 辞めるときにもらっておけば、探す手間がない
掛け持ちしているときは、確定申告が要ることがあります

2か所以上から給料をもらっていて、年末調整をしていないほうの給与収入が年20万円を超える場合などは、確定申告が必要です。年末調整ができるのは1か所だけなので、掛け持ちしている方は先に派遣元に伝えてください。

「扶養の範囲」で働くとき

よく言われる金額の壁は、税金の話と社会保険の話が混ざっています。分けて考えてください。

2つは別の話です
  • 税金自分に所得税がかかり始める境目

    給与収入がいくらまでなら所得税がかからないか、配偶者の控除がどこまで受けられるか、という話です。段階的に変わる仕組みで、超えた瞬間に大きく損をする形にはなっていません。

  • 社会保険自分が社会保険に入る境目

    週の労働時間や月額の賃金で決まります。こちらは超えると自分で保険料を払うことになるので、手取りへの影響が大きくなります。

実務では金額の基準は法改正で変わります。いくらが境目かを覚えるより、シフトを決める前に派遣元の担当者に聞くほうが確実です。あとから「入ることになりました」と言われるより、先に分かっているほうが選べます。

なぜ、毎月は概算なのか

所得税は、1年間の所得が確定しないと正しい額が出せません。残業が多い月もあれば、少ない月もあります。生命保険料控除のように、年に一度まとめて申告するものもあります。

かといって、1年分をまとめて年末に払うのは負担が重すぎます。そこで毎月おおよその額を先に集めて、年末に精算する形になりました。源泉徴収といいます。

住民税が1年遅れなのは、前の年の所得が確定してから、市区町村が金額を計算して通知する仕組みだからです。計算に時間がかかるので、6月から始まります。

よくある勘違い

こう思われがちです
  • 引かれているものは全部、税金だ
  • 所得税は毎月、正しい額が引かれている
  • 働き始めた年から住民税も引かれる
  • 辞めれば、住民税ももう来ない
  • 年末調整の用紙は、出さなくてもいい
実際はこうです
  • 税金は所得税と住民税の2つ。あとは社会保険料です
  • 毎月は概算です。年末調整か確定申告で精算します
  • 住民税は前の年の所得にかかるので、1年遅れて来ます
  • 前の年の所得にかかる分は、辞めたあとも納めます
  • 出さないと、払いすぎたままになります

派遣で働く人は、ここだけ覚えてください

派遣で働く方へ

覚えるのは2つだけです。所得税は年末に精算される/住民税は1年遅れて来る。

そして、会社が変わるときは源泉徴収票をもらう。これを忘れると、年末調整ができません。辞めるときに、離職票と一緒に頼んでください。

派遣を受け入れる企業にも、関係があります

派遣先の担当者へ

税金の手続きは、雇用主である派遣元の役目です。派遣先が源泉徴収をすることはありません。

ただし、「扶養の範囲で働きたい」という希望は、シフトに直結します。勤務時間を大きく変えるときは、派遣元に相談してから決めてください。本人の手取りが変わります。

まとめ

この記事で覚えてほしいこと
  • 給料から引かれる税金は所得税と住民税の2つだけ。社会保険料は税金ではない
  • 所得税は毎月が概算で、年末調整か確定申告で精算する
  • 住民税は前の年の所得にかかる。1年遅れて来て、辞めたあとも続く
TODAY'S ACTION / 今日からできる、たった1つのこと

直近の給与明細の「控除」の欄を見て、税金の行と社会保険料の行に線を引いて分ける。

税金は「所得税」と「住民税」の2行だけです。残りは社会保険料で、会社も同じくらい払っています。分けて見ると、何にいくら引かれているかが分かります。1分で終わります。

社会保険料のほうは、会社がいくら払っているのかを別の記事で説明しています。

社会保険料は、誰がいくら払っているのか

※ 2026年8月時点の制度にもとづいています。根拠:所得税法183条・190条(源泉徴収と年末調整)・194条〜196条、地方税法321条の3〜321条の6(住民税の特別徴収)、所得税法施行令、社会保険の加入要件は健康保険法3条・厚生年金保険法12条。金額の基準(扶養の範囲、確定申告が必要になる収入など)は法改正で変わるため、この記事では具体的な金額を扱っていません。個別の計算は国税庁・お住まいの市区町村・派遣元にご確認ください。

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