派遣の交通費はどう扱われるのか
派遣の交通費はどう扱われるのか別に出るか、時給に入っているか。どちらかです
派遣の通勤手当は、2つのどちらかです。
実費などで別に出る形。給与明細に「通勤手当」の行があります。
時給に含まれている形。行はありませんが、そのぶん時給が高く設定されています。
「出ない」という扱いはできません。どちらの形なのかは、雇用契約書と給与明細で確かめられます。
どちらの形かを見分ける
- 給与明細に「通勤手当」の行があるか
あれば「別に出る形」です。無ければ「時給に含まれている形」の可能性が高いです。
- 雇用契約書の賃金の欄を読む
「時給◯◯円(通勤手当を含む)」のように書かれていれば「時給に含まれている形」です。
- 分からなければ派遣元に聞く
「通勤手当は時給に含まれていますか」の一言で確かめられます。
別に出る形なら時給1,500円+交通費。含まれている形なら交通費込みで1,500円。通勤に月1万円かかる人にとっては、同じ数字でも1万円の差になります。求人を比べるときは、ここを揃えて見てください。
なぜ、2つの形があるのか
労使協定方式では、通勤手当も「一般の労働者と同等以上か」を比べる対象になっています。比べ方が2通りあるので、支給の形も2通りになります。
- やり方
- 実際にかかった通勤費を、時給とは別に支払う
- 比べ方
- 実費なので、水準の比較になじみます
- 働く人から見ると
- 通勤距離が長い人ほど手取りが守られる
- やり方
- 時間あたりの通勤手当相当額を、賃金に上乗せする
- 比べ方
- 国が示す一般通勤手当の額と比べます
- 働く人から見ると
- 近い人ほど有利、遠い人ほど不利になりやすい
法律上派遣先均等・均衡方式の場合、同一労働同一賃金ガイドラインは通勤手当について「同一の支給を行わなければならない」としています。派遣先の社員に出ていて、派遣スタッフに出ない、という形はとれません。
派遣先が見積を比べるときに、順位が逆転します
ここが発注する側にとっての落とし穴です。
A社の見積が「時給1,720円(通勤手当は実費で別途)」、B社が「時給1,780円(通勤手当込み)」だったとします。総額だけ見ればA社が安いように見えます。
ところが通勤費が月1万円かかる人なら、A社にはその1万円が上乗せで請求されます。実際に払う総額は逆転することがあります。
実務ではここを揃えずに比べている見積を、よく見かけます。「通勤手当は含みますか」の一言を、比べる前に必ず聞いてください。
よくある勘違い
- 派遣には交通費が出ない
- 時給が高いほうが得
- 交通費は非課税だから、どちらの形でも同じ
- 派遣先が直接、交通費を払う
- 実費で別に出るか、時給に含まれているかのどちらかです
- 通勤費を差し引いて比べないと、順位が変わります
- 時給に含めた場合、その部分は賃金として扱われます
- 払うのは派遣元です。派遣先は派遣料金として払います
派遣で働く人は、ここだけ覚えてください
求人を比べるときは、時給から通勤費を引いた額で並べてください。時給1,500円で交通費別と、時給1,550円で交通費込みでは、通勤に月1万円かかる人にとっては前者のほうが多く残ります。
登録のときに聞くのは「通勤手当は時給に含まれていますか」の一言です。
派遣を受け入れる企業は、ここだけ覚えてください
見積を並べる前に、通勤手当の扱いを揃えてください。含んでいる見積と含んでいない見積を総額で比べると、結論が逆になります。
「通勤手当は含みますか」「実費なら上限はいくらですか」。この2問だけで揃います。
まとめ
- 通勤手当は実費で別に出るか、時給に含まれているかのどちらか。「出ない」はない
- 形が違うと、同じ時給でも手取りが変わる
- 見積を比べるときは、通勤手当の扱いを揃えてから。順位が逆転する
直近の給与明細を開いて、「通勤手当」の行があるかどうかを見る。
行があれば別に出ている形、無ければ時給に含まれている形です。含まれている形なら、通勤費が増えても時給は自動では上がりません。引っ越しや職場が変わるときは、そこを確かめてください。
そもそも時給がどう決まっているのかは、別の記事で説明しています。下限の作られ方から書いています。
派遣の時給は何をもとに決まるのか※ 2026年8月時点の制度にもとづいています。根拠:労働者派遣法30条の3・30条の4、「短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」(同一労働同一賃金ガイドライン)。労使協定方式における通勤手当の取扱い(実費支給または一般通勤手当との比較)は厚生労働省が毎年度示す職業安定局長通知によります。金額は年度によって変わるため、この記事では扱っていません。厚生労働省「労使協定方式に関するQ&A」で確認しています。個別の支給条件は雇用契約書をご確認ください。
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