マージン率は低いほど良い会社?
マージン率は低いほど良い会社?マージンは儲けではありません。中身を見ます
マージン=派遣料金 −(派遣スタッフの賃金)。その割合がマージン率です。
中身は社会保険料・有給休暇の費用・教育訓練・募集や面談の費用・運営費、そして利益。そのまま派遣会社の儲けではありません。
だから低いほど良い会社、とは限りません。削られたのが利益なのか、教育訓練やフォローなのかで、意味がまったく違います。
マージン率は、派遣会社がインターネットで公開する義務があります。誰でも見られます。
マージンの中身
社会保険料と有給休暇の費用は、割合が法律で決まっています。ここを削ることはできません。マージン率が低い会社でも、この2つは同じように払っています。
低い会社と高い会社、何が違うのか
- 考えられること
- 利益を薄くしている/教育訓練や面談を減らしている/募集にお金をかけていない
- 向く場面
- 手順が決まっていて、判断がほとんど要らない業務
- 気をつけること
- 欠員が出たときに代わりが決まりにくいことがある
- 考えられること
- 研修が厚い/担当者が現場に来る/募集にお金をかけている/単に利益が厚い
- 向く場面
- 覚えることが多い業務、長く続けてほしい業務
- 気をつけること
- 厚みが何に使われているかを確かめる
どちらが良いという話ではありません。数字だけでは判断できません。
数字より、隣に載っている情報を見ます
マージン率と一緒に公開することになっている項目があります。比べるときに効くのは、こちらです。
- 派遣労働者の数、派遣先の数
- マージン率
- 教育訓練に関する事項(どんな訓練を、どのくらい実施しているか)
- 労使協定を結んでいるかどうか、結んでいる場合は対象の範囲と有効期間の終わり
マージン率が同じくらいの2社なら、教育訓練の中身で差が出ます。同じお金を、人に使っているか、会社に残しているかの違いです。
なぜ、公開することになったのか
派遣は、働く人にとって自分の賃金がどう決まっているかが見えにくい働き方です。派遣先が払う額も、そこから何が引かれているかも、本人には分かりません。
そこで、派遣元にマージン率などの情報提供が義務づけられました。見えるようにすることで、極端な会社が選ばれにくくなるという考え方です。
派遣料金額そのものも、本人に明示することになっています。就業の開始時と、料金が変わったときです。
よくある勘違い
- マージン=派遣会社の儲け
- マージン率が低い会社を選べば得
- マージン率は会社が自由に公開・非公開を選べる
- マージン率が同じなら、中身も同じ
- 社会保険料・有給・教育訓練・募集・運営費が入っています。利益はその一部です
- 削られたのが教育訓練やフォローなら、定着に跳ね返ります
- インターネットでの情報提供が義務です
- 教育訓練の実施状況を並べると、差が出ます
派遣を受け入れる企業は、ここだけ覚えてください
マージン率だけで会社を選ばないでください。同じページに載っている教育訓練の実施状況を、並べて比べるほうが実態が見えます。
任せる業務が単純なら低いほうが合理的ですし、覚えることが多い業務なら、研修に使われているぶんは戻ってきます。
派遣で働く人にも、関係があります
マージン率は、自分の時給が安い理由の説明にはなりません。時給の下限は、労使協定方式なら国が示す水準で決まっているからです。
気になるのは、むしろ教育訓練が実際に行われているかです。同じページで公開されているので、登録する前に見られます。
まとめ
- マージンは儲けではない。社会保険料・有給・教育訓練・募集・運営費と利益の合計
- 低いほど良いとは限らない。削られたのが何かで意味が変わる
- 比べるならマージン率より教育訓練の実施状況
取引している派遣会社の名前を、厚生労働省「人材サービス総合サイト」で検索して、マージン率と教育訓練の欄を並べて見る。
2社以上を比べると差が分かります。マージン率が近いのに教育訓練の中身が違うなら、そこが選ぶ理由になります。3分で確かめられます。
見積そのものの読み方は、別の記事で説明しています。総額を並べても比べられない理由と、見るべき3か所です。
派遣料金は「時給×時間」ではない※ 2026年8月時点の制度にもとづいています。根拠:労働者派遣法23条5項(情報提供義務)、同法施行規則18条の2、労働者派遣法34条の2(派遣料金額の明示)、30条の2(教育訓練)、30条の4(労使協定方式)。厚生労働省「派遣元事業主の皆さまへ」(LL271029 派需07)、「派遣労働者の同一労働同一賃金の概要」(PL040929需01)、「労働者派遣事業関係業務取扱要領」で確認しています。この記事では特定の会社のマージン率を扱っていません。各社の数値は上記サイトでご確認ください。
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